腰痛 冷やす

自宅でできる冷罨法(レイアンポウ)

前回は腰痛時に温めることで症状緩和をする方法をお話ししましたが、

今回はその逆の「冷やす」ことのお話しです。

冷罨法(レイアンポウ)とは簡単に言うと「冷やす」ことです。

腰痛時、特に外傷による腰痛の場合には患部を冷やした方が良いでしょう。

ギックリ腰などの外傷由来ではない急性腰痛でも場合によっては冷やすことが良いケースもあります。

では、どんな場合に冷やすべきなのでしょうか?

どんな時に冷やす?

私の推奨は1度温めてみて痛みが不変または増悪するのであれば、それは冷やした方が良いケースと言えます。

冷やした方が良しケースというのは、「痛み」を発している神経細胞が興奮状態にあります。

その興奮状態にある神経細胞を鎮めるために「冷やし」てあげることで鎮静化を狙っています。

ただ、腰痛というだけで必ずしも「神経細胞の興奮」が起こっているワケではないので、注意が必要です。

「温め」の時にもお話ししましたが、その腰痛が筋肉由来の痛みの場合冷やすことで

その筋肉をより硬くしてしまう = 痛みを増悪させる からです。

まだ温めた方が良いのか冷やした方が良いのか判断できないときに、

温めを先にやる理由は、先に冷やすことをすると、感覚がぼやけるからです。

冷やすことは興奮状態の神経細胞を鎮める効果はありますが、正常な神経の感覚も鈍らせます。

つまり先に冷やすことで、本来温めた方が良い腰痛も神経の感覚が鈍り

寛解しているかのような錯覚に陥ります。

すると本来温めた方が良い腰痛でも冷罨法を続けてしまうワナにハマってしまいます。

なので、先に温めることによって

温めるべきなのか、冷やすべきなのかを慎重に探る必要があるのです。

また温めを積極的にやってしまうと神経細胞の興奮を助長させてしまうので、

これも良くないです。なので、はじめは慎重に様子を見ることが重要です。

どこを冷やす?

温めのときは、温浴や葛根湯の使用など身体全体を温めることは良いことでした。

ですが「冷やす」は全く逆で、ピンポイントで冷やします。

狙いは興奮している神経細胞の鎮静化なので、その神経細胞の有る場所以外は関係ないので冷やしたくないのです。

広範囲に冷やしてしまうと前述の通り筋肉を冷やし固めてしまうので神経細胞の鎮静化ができても

筋肉が硬くなることでの腰痛を引き起こす要因になりかねないのです。

腰痛を引き起こしている神経が何処にあり、どのように走行しているのかを

創造して冷やすことはとても効果的です。

どれくらい冷やす?

「冷やす」場合、これはとても重要で

どの程度の温度で

どのくらいの時間

冷やすのかというのはとても重要です。

これを守れないのであれば、何もしない方が良いでしょう。

それほどココは重要です。

まず温度ですが、夏場ならアイスバッグまたはビニール袋に水道水を入れ氷を5~10個程度入れます。

氷の数は気温により調整します。

間違っても「氷のみ」や「ほぼ氷に水少々」、保冷剤のみ ということは絶対にやめてください。

冬場なら外気温が低く水道水も冷たいのでアイスバッグに水道水だけでいいでしょう。

調整として氷2~3個程度の追加は大丈夫でしょう。

ここで、みなさんが感じる疑問は、

「冷やす」のにあまり冷たくない

ということでしょう。

いいんです。

ヒトの体温はご存知の通り約36℃ですね。

そこに10℃程度のアイスバッグを当てるだけで十分冷やしているのです。

これを過剰に0℃近いもので冷やすと身体にとって悪いことが多すぎるのです。

なので上記程度の温度で十分です。

次にどのくらいの時間冷やすのか?

ですが、これもとても重要で

上記の温度でアイシングするのであれば

1回につき5~10分でいいでしょう。

1回で興奮した神経細胞が鎮まることはないので

30~60分くらい間隔を空けて、数セット繰り返します。

5~10分だと自身の体温でアイスバッグの温度も上昇するので

過冷却の恐れもありません。

この行程を繰り返すことで腰痛を引かせます。

なかなか手間のかかることですが、これがアイシングの正しいやり方ですので

覚えておくと良いでしょう。

外傷性の腰痛はもちろん、骨折や捻挫、打撲などの外傷の措置としても使えます。

絶対にやってはいけない

また、冷罨法では温熱とは違い絶対にやってはいけないことがあります。

それは、保冷剤や氷のうでのアイシングを長時間やり続けることです。

過冷却は神経を鈍らせるので、冷やし過ぎていることすらも

分からなくなってしまいます。

すると、長時間冷やしっぱなしになり、

最悪 凍傷 を起こしてしまいます。

私は病院勤務時代に骨折などの外傷の患者さんで、

この過冷却による凍傷を作った人を数人見てきました。

下手したら健康な細胞を死滅させ、最悪切断しなければならない事態になりかねないので

細心の注意が必要です。

温度と時間 これを遵守できないのであれば

「冷やす」はやらない方が良いでしょう。

それほどアイシングは慎重に行うべき措置なのです。

#39

千葉県木更津市

はるえな整体院

投稿者プロフィール

平野隆之
平野隆之骨の調整師